静岡県における外来種コモチカワツボの生態調査(2012年〜2013年)

コモチカワツボとは

  • ニュージーランド原産の外来種であるコモチカワツボは、特定外来生物として指定はされていませんが、2000年代から日本各地で急速に分布を拡大しています。本種は大きさ4〜5 mm程度の淡水性巻貝で無性生殖を行うため繁殖力が極めて強いとされます。藻やバクテリアを食べて育ち水質汚濁にも強いので、生存に適した環境では、一匹の貝が1年間で数千匹にまで増えると言われています。本種の国外からの侵入経路は、ヨーロッパやニュージーランド、オーストラリアから輸入されたマス類やウナギなどの養殖魚への混入が疑われ、初期に国内で多くの生息が確認された場所は養魚施設の周辺でした。その後の国内各地への拡大は、養殖魚に混入しての移動や水草などその他の生物が移植される際に随伴しての分散などが考えられる他、ゲンジボタルの増殖を目的としてエサとして意図的に散布されていた事実も指摘されています。
  • 本種の在来生態系へ与える影響はいまだ未知の部分が多いのですが、本県にはマス類やウナギの養魚場が数多く存在することから、爆発的に増殖することによる生態系への影響が懸念されます。そのため、県内の生息実態を把握するとともに、拡大防止策の検討を目的として、2012年度より本種の生態調査を開始しました。これまでに、本種の同定法の確立、文献等で生息が確認された場所の確認調査を実施しました。2013年度は、養魚場周辺およびホタルの名所周辺の河川調査、また、本種を餌とした場合のゲンジボタルの成育に与える影響を探るため、実際にゲンジボタルの幼虫にカワニナや本種を給餌し、その成長度合等について比較飼育試験を実施しています。

カワニナ(上部)とコモチカワツボ(下部)
静岡県内の分布・生態情報
  • これまでの河川調査の結果、文献等で生息が指摘されていた場所については、5箇所中、4箇所で引き続き生息が確認され、養魚場周辺やホタルの名所などにおいても7箇所生息を確認しました。
     また市街地を流れる水田用水路では、本種が1平方メートルあたり約1800匹もの大繁殖をしている箇所も確認しています。この水路については、周辺に養魚場やホタルの名所はないため、流入経路の状況など、周辺の環境も含め、今後詳細な調査が必要と考えています。

     なお、ゲンジボタルの比較飼育試験については追って報告します。


県内におけるコモチカワツボ生息確認地点(2012年〜2013年)

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