平成23年度に新規に実施する研究の概要(衛生)
|
研究課題名 (期間)(担当部) |
背景・目的 |
課題内容説明 |
期待される効果・目標 |
予算区分 共同研究 |
||
|
食肉に起因するE型肝炎ウイルス感染に関する研究(23-24)(微生物部) 1 HEVの浸淫状況調査(H23) 2 感染予防対策確立(H24) 3 分子疫学的解析(H24) (微生物部、ウイルス班) |
近年、食肉に起因するE型肝炎感染事例が報告されているため、食肉のE型肝炎ウイルス(HEV)汚染状況を正確に把握するため、県内の野生動物およびブタにおけるHEVの浸淫状況を調査するとともに、感染予防対策確立のためにHEVの不活化条件を検討する。 |
1
県内の野生動物およびブタについて、HEV抗体および遺伝子保有の調査とHEV分離を行い、現在および過去の感染を把握する。 2
HEVの不活化条件を物理的および化学的に検討し、感染予防対策の確立を目指す。 3得られたHEVについて分子疫学的解析を行い、国内のHEVとの近縁関係を比較検討する。 |
食肉に起因するヒトのHEV感染のリスクを明らかにするとともに、感染予防対策を確立することで、ヒトのHEV感染症を制圧するための施策に反映させる。また、本県では野生動物肉の有効利用を促進していることから、これらの情報は肉を安全に食するために役立つものと思われる。 |
県費一般 |
||
|
食品保存環境でのカンピロバクターの生残性および培養法に関する研究(23−24) 1食品におけるカンピロバクター汚染実態調査(23) 2 菌消長や生残性に関する実験的調 査(23) 3 損傷菌の回収が可能な培養法の検
4低温損傷および回復に関する機序の解析(23-24)(微生物部、細菌班) |
カンピロバクターによる食中毒は、細菌性食中毒の中で発生件数が第一位である。本菌の食品における汚染実態や低温での菌消長・生残性を細菌学的、分子生物学的に調査し、食中毒制御、適切な培養法への応用について検討する。 |
1食品中の本菌を効率的に回収し、培養法および遺伝子検査法により定量的な汚染実態調査を実施する。 2冷蔵および冷凍温度帯に本菌を保存し、菌消長や生残性について経時的に調査する。 3損傷状態からの回復が可能な条件について調査し、培養法への応用を検討する。 4損傷状態や回復に関する機序について、分子生物学的に解析し、食中毒の制御や損傷回復培養法への応用を検討する。 |
食品衛生監視指導および食中毒予防に資する科学的かつ効率的なデータが提供でき、食品衛生の向上に役立つ。低温でのカンピロバクターの損傷および回復機序の解明により、適切な培養法確立等への応用が期待される。 |
県費一般 |
||
|
インフルエンザウイルスの高病原化にかかわる遺伝子変異に関する研究(23-24) (微生物部、ウイルス班) |
インフルエンザウイルスが遺伝子変異を起こすと肺炎などの重症化する場合がある。肺炎等を起こし易い高病原化インフルエンザウイルスの流行を防ぐために遺伝子変異検出を行い、ウイルス性状変化を監視する。 |
検体として、インフルエンザ発生動向調査の定点医療機関を受診した患者から分離されたA型インフルエンザウイルス株を用いる。ウイルス株からRNAを抽出し、ヘマグチニン(HA)のD225G変異とRNAポリメラーゼ(PB2)領域のE627K変異についてダイレクトシークエンス法による検出を行う。得られた検出結果については、患者の臨床症状と比較する。 |
パンデミックH1N1 2009などのA型インフルエンザウイルスの高病原化にかかわる遺伝子変異の解析を行うことにより、ウイルス性状変化の監視に役立てることが出来る。 |
県費一般 |
||
|
リケッチア感染症の迅速診断法に関する研究 (23) 1 Multiplex real-time PCR法(対象菌種:つつが虫病リケッチア、紅斑熱群リケッチア)の構築および評価 (23) 2 Single-tube
nested PCR法(対象菌種:紅斑熱群リケッチア)の構築および評価 (23) (微生物部、ウイルス班) |
国内のリケッチア感染症診断の公定法は、開発年度が古く、実用的でない部分がみられる。そこで、短時間に複数の病原体を検出できるmultiplex
real-time PCRと高感度でコンタミの危険性が少ないSingle-tube nested
PCRの技術を用い、新たな診断法の開発を試みる。 |
1 つつが虫病リケッチア、日本紅斑熱リケッチアおよびその他の紅斑熱群リケッチアを識別可能なmultiplex
real-time PCRを構築し、実際の検体を用いて、検出感度、識別能力等を確認する。 2 紅斑熱群リケッチアを高感度に検出できるsingle-tube
nested PCRを構築し、実際の検体を用いて感度、特異性等を検討する。 |
リケッチア感染症は、治療が遅れると重症化しやすい疾患であるので、今回の研究対象の迅速診断法が確立されれば、発病早期の確定診断が可能になり、重症化の予防に役立てることができる。 |
県費一般 |
||
|
肉用鶏由来およびヒト由来の基質特異性拡張型βラクタマーゼ産生菌群の関連性に関する研究(23-24) 1 βラクタマーゼ遺伝子の検出 2プラスミドの制限酵素切断パターンおよび染色体遺伝子型別による解析 3
解析株の薬剤感受性試験 4 ESBL遺伝子および周辺遺伝子の遺伝子配列解析 (微生物部、細菌班) |
これまでの研究により 肉用鶏から基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)産生菌が高率に分離されており、院内感染起因菌として知られるESBL産生菌について肉用鶏由来株とヒト由来株の解析を行い、両者の関連性や発生原因の究明に役立てる。 |
1
PCR法および塩基配列解析により、ESBL遺伝子型を調査し、肉用鶏とヒト由来株からの各遺伝子型の検出状況を調べる。 2
プラスミドおよび単一クローンの拡散状況を調べる。プラスミドの伝達性を確認し、肉用鶏とヒト由来株の関連性を調べる。 3
同一パターンのプラスミドやクローンを中心に薬剤感受性試験を行い分析する。 4
多く見られるタイプのプラスミドについて、周辺遺伝子を解析し増加の理由を探る。 |
肉用鶏から高率に分離されるESBL産生菌と、ヒト由来ESBL産生菌との関連性を解析し、学会や論文において発表することで、発生原因究明および発生抑制の一助となり、より安全な食肉の生産にも寄与すると期待される。 |
県費一般 静岡県立大学 |
||
|
動物およびヒトにおけるジフテリア毒素産生コリネバクテリウムの実態調査(23-24) (微生物部、細菌班) |
ジフテリア毒素産生C.ulceransは、人獣共通感染症の原因菌であり、ヒトにジフテリア(二類感染症) 類似の病態を呈することで問題になっているが、その感染様式は不明な点が多い。昨年、本県で飼育猫から本菌が分離され、県内におけるその存在が明らかとなったため、本菌の実態を調査し、動物由来感染症の発生予防に役立てる。 |
1
動物およびヒト患者からの菌分離 2
分離菌株からの毒素および毒素遺伝子の検出 3
抗毒素抗体価の測定 4
分離株の遺伝子型別 5
感染経路等の疫学調査 以上の調査項目を実施することにより、C.ulceransの実態を解明する。 |
検査体制の確立、本菌の実態解明により、動物由来感染症の予防に役立たせ、県民の安心安全を確保する。さらに、現在明確でないC.ulceransの感染症法での位置付けについて検討する貴重なデータとなる。 |
県費一般 厚生労働科学研究 |
||
|
食品に含まれる有害化学物質等に関する調査−加工食品中のアクリルアミド含有実態調査−(23-24) (医薬食品部) |
近 アクリルアミドは、アスパラギンと還元糖を含む食品を高温で加熱調理したときに生成しやすい物質であり、発がん性も問題となっているが、食品における含有実態等を示すデータは不足している。そこで、県内に流通している加工食品について、その含有量等について分析を行い、実態を把握する。また、これら調査結果を商品テスト情報に取りまとめ、広く消費者に情報提供する。 |
1対象食品の選定と分析方法の検討 県内特産品を含めた対象加工食品の選定や、前処理・測定方法の検討を行う。また、食品の加熱条件によるアクリルアミドの生成量の変化や生成抑制等について検討する。 2文献調査および関係機関等からの情報収集 大学や研究機関等からの情報収集(国内・海外の状況、健康への影響等)を行う。 3試験結果の解析と情報提供 加工食品中の含有量等を比較検討し、その結果を商品テスト情報にまとめる。 |
県内に流通している食品中のアクリルアミド含有量等の調査をすることにより、現在国内で不足している含有実態に関するデータを新たに提供することができる。さらに、調査結果を「商品テスト情報」として取りまとめ、消費者に対し、より身近で確かな情報を提供することにより、自立した賢い消費者を育成するための一助となる。 |
県費一般 |
||