ULPエンジンの予想外な停止

1)序文
 ROTAXエンジンの突然回転数が低下したり、飛行中にエンジンが急停止したが、地上において問題なく始動、及び運用できる等の問題は時折発生し、そして危険を生じます。このような問題の原因は非常に複雑ですが、電気系統・燃料系統等、数箇所を点検する事により解決策を発見出来る場合があります。
 これらの症状の解決策を発見するための試験以外、絶対にそのエンジンを運用しないで下さい。
2)原因と改善策
2.1)プロペラ及び、プロペラドライブがエンジンに対して適切に設定されているかどうかの点検
 
エンジンが公表されている最大回転数(エンジン特性データ参照)に達しなければなりません。
2.2)燃料供給の点検
 a)
燃料圧力は0.2〜0.5気圧(燃料ポンプとキャブレターの間にて測定)出なければなりません。
 
b)キャブレター内に水があるかどうかの点検。(フロートチャンバー底の水のレンズ)
 c)燃料ポンプは涼しい場所に取りつけなければなりません。また、しっかりと固定する必要があります。(熱及び振動対策)
 
d)燃料がフロートチャンバー内で、あわ立っているかどうか点検する。(フロートキャップのアクリル樹脂の窓にて確認)
 
原因の可能性
  1. プロペラの設定ミス
  2. 不適当なエンジンサスペンション(大きいキャブレター振動)
  3. フロートニードルバルブのスプリングダンピングが振動状態に対して、不適当

※この症状は、有る一定の回転範囲内にて起こります。

 e)
フロートニードルバルブの点検
   ⇒ニードルバルブの先端・バルブの堅固
   ⇒フロートレベル
2.3)インテークシステム
 
漏洩に対して、キャブレターとエンジン間のインテークシステム(キャブレターラバーフランジ、インテークソケット)を必ず点検して下さい。漏洩個所があると空気の浸透を許し、空気と燃料が混合し、燃料が希薄になってしまいます
2.4)キャブレターのアイシング
 a)
燃料内で水(凝縮された水)の凍結によるアイシング
   ⇒燃料内に水がある場合、0℃以下になるとジェットおよび燃料インレット部等の凍結により、アイシングが発生する。
 b)
露天付近で運用中のアイシング
   ⇒空気と燃料が混合される際に起きる蒸発による冷却効果は、空気の湿度によって増加します。この時気象状態は、空気の湿度が高く0〜15℃において発生します。
2.5)イグニッションユニット
   ⇒点火時期の点検(マニュアル参照)
   ⇒スパークプラグの点検(新しい物と比較する)
   ⇒分離ギャップの点検(オペレーターズマニュアル参照)
   ⇒イグニッションコイルの点検(MAG側とPTO側のイグニッションコイルを交換、又は、新しい物でテスト)
※ミスファイアーは、一定の運用温度に達した後、又は高電圧点火において実行した場合に、発生する可能性があります。
   ⇒マスケーブル及びマス接点を点検する。悪いマス接点は非常に危険で、ピストン焼付け、又は、ピストンに穴をあける可能性があります。
   ⇒イグニッションケーブルの点検(外観上欠陥が無いか点検、ピンホール(分裂)に対して視覚的な点検)
   ⇒レジスタースパークプラグカバーの絶縁がなされているか特に注意して確認、又、破損していないかどうかの点検
   ⇒イグニッションダンピングボックスの適正な動作の点検(マニュアル参照)


読んで下さい