三洋 DSC-MZ3

(1)第一印象 2002.10.15
三洋のデジカメと言えば「爆速」というキーワードで語られます。起動が早く撮影間隔も非常に素早くて連写や動画に強いデジカメが得意でした。DSC-MZ1になってレンズが待望のズーム化されたものの起動時間が約6秒程度とかなり遅くなりました。それでも銀塩一眼レフカメラをしのぐ連写&動画撮影性能は相変わらずです。しかも4ミクロンピッチという今では相当大きなCCDが使われていて、画質にも抜かりありません。かつてのDSC-MZ1を使用していましたが、その力強い「絵」には感心しました。しかしバッテリーの保ちが悪い、ズームスピードが遅い、何よりスナップカメラとして致命的な欠点が起動の遅さでした。そのためDiMAGE Xに代替したのです。
そのDiMAGE Xは上司に取られてしまい、仕方なく富士フイルムのFinePix F401を愛用していました。このカメラも起動が早く非常にコンパクトで画質も綺麗なものでした。このまま使い続けても問題はなかったのですが、この度DSC-MZ3が発売されて再び三洋の「爆速」デジカメを購入したのです。その動機の最も大きな理由はやはり画質と改良された点です。
今では200万画素機といえばCCDは1/3.2インチサイズが主流になりつつあります。コストダウンとカメラ本体のダウンサイジングが主な理由です。しかし小さなCCDは画素のピッチも小さくなります。感度が低下するため電気的にゲインアップしてノイズが増えます。また明暗差の激しい被写体では描写が破綻します。このMZシリーズは200万画素でありながら1/1.8インチという大きめのCCDを使っています。このサイズでは今や500万画素のものもあるくらいですが、あえて画素ピッチの大きなCCDをおごっています。しかもこのCCDは「プログレッシヴスキャン」方式のため、信号の読み出しがきわめて早く、連写性能の向上に役立ちます。事実DSC-MZ3では補完モードである300万画素モードでも1秒に15コマという圧倒的な連写性能を誇ります。これなら動きの早い被写体に対しても連写したコマのどこかに最適なショットが撮れます。
DSC-MZ1は後継機のDSC-MZ2に改良されたもののボディもレンズも共通でマイナーチェンジの域を出ませんでした。しかし今回のDSC-MZ3は大改良を施されて、先代モデルの不満点の多くを解消しています。そのポイントはいくつかあります。
まずレンズユニットの変更に伴い、起動やズーミングのスピードが飛躍的に速くなりました。起動時間は約1.7秒、以前の6秒に比べ全く苦にならないレベルです。さらにバッテリーは汎用性の高かった単三型充電池をやめて専用のリチウムイオンバッテリーになりました。これによってメーカー公称値でもおよそ倍の枚数が撮れます。実際にはもっと伸びるようです。しかも充電の際にもメモリー効果の心配がないので安心して充電できます。そのほか、VGAサイズでも秒間30フレームでの動画撮影が可能になったり、ボディも小型化されるなど全くの別モデルのような仕上がりです。
さて実際に触ってみます。電源スイッチは手前側に移動しました。親指で押しますが大きさはともかくストロークが浅くてやや感触がもの足りません。それでも一旦電源が入ると二段式になった沈胴式レンズがせり出してモニターが点灯します。確かに2秒程度で、起動してすぐに撮れそうです。これまでレンズの手前にあったシャッター型のレンズバリアは、レンズの先端で一体型になりました(ソニーやIXYなどと同様)。手にした感じではやや薄くなったものの、もう一息薄くなればよかったと思います。せめて上下には5mm程度大ききくなっても、厚さが5mm程度薄くなって欲しかったです。DSC-MZ1の場合は左側にジョグダイアルや十字キーがあって、両手での操作が必要でしたが、このモデルでは完全に右手側に操作が集中しています。特に十字キーの回りに置かれた「MENU」「SET」のボタンの位置は絶妙です。他にもドライブモードが簡単に切り替えられるモードダイアルは相変わらずですし、フォーカスモードやフラッシュのスイッチもそれほど使いにくさはありません。ただ肝心のシャッターボタンはモードダイアルをまたぐ位置にあって押しにくいです。また押し心地もやや節度感が足りません。
右手での持ちやすさは今ひとつで、指の係りもあまりよくありません。「STILL & MOTION」と刻まれた部分に中指がかかりますがそれでも物足りなく思います。しかし先代のモデルのようなツルツルした感じはなく、滑りにくい表面をしています。もっとも、金属製の割にやや見た目の質感に乏しいようです。そして表面に印刷された各機能のアイコンには文字の表示がなく、意味を理解して慣れるまでは初めての人には戸惑うかも知れません。そして何より、各社の「銀カメ」に比べデザインのセンスがよくありません。全体にはバッテリーの変更のおかげで小型軽量化されているのもの、手にした時の重量感は増しています。重いと言うほどではないので欠点にはなりませんが、バッグに入れて持ち歩くにはやや厚さが気になります。
バッテリーは横から、メディアは下から出し入れします。FinePix F401のようにバッテリーを本体に入れたまま充電できればいいなと思いますが、このカメラでは充電するたびにバッテリーを出し入れします。しかも取り出しにくい形状です。これはメディアスロットでも同様です。またバッテリーのフタが頼りなく、早い段階で壊れそうです。メディアはUSBストレージクラスに対応しているのであまり出し入れしないのですが、バッテリーは頻繁に出し入れします。ちょっと心配です。
基本的な撮影機能は従来通りで、ワイドレンジショットも効果が高められ、ピクトライズ300も搭載、さらにリアルカラーイコライザーも3代目になりました。パソコン上で設定を調整できるほか、新たに「明度」のパラメーターも追加されています。これらの効果は実際に撮影して試してみようと思います。露出モードやマニュアルフォーカスもこのクラスにしては贅沢な機能です。これからがとても楽しみなカメラです。
(2)テスト撮影 その1 2002.10.16
今日はいい天気になりました。富士山もキレイに雪をかぶっています。とりあえずDSC-MZ3を持っていつもの「蓮花寺池公園」へ行きました。日差しはよかったものの花がほとんど咲いていないので被写体に困ります。
早速取りだして電源を入れます。予想はしていたものの、やはり電源スイッチは押しにくい! 小さくてストロークもなく、何度か押し直してやっと電源が入る状態です。慣れて直るものでもないので改善を希望したいです。液晶モニターが1.8インチから1.5インチへ小さくなりました。これもやはり見にくいです。特にマクロで撮りたい時にちゃんとピントが合っているのかわかりません。デフォルトではフォーカスモードが多分割になっているので、頻繁に背景へピントが行ってしまいます。そこで設定を変えてスポットフォーカスにします。むしろこの方が多くのカメラと同様の状態なのでこちらをデフォルトにしてもいいかも。
先々代のDSC-MZ1の時もそうでしたが、多分割露光にしては明るめに露出されます。CCDピッチが大きく白飛びしにくいとはいえ、真っ白になっては救いようがありません。露出補正は十字キーで簡単にできますが電源を切るとリセットされます。この点は露出補正値もメモリーされるFinePix F401の方が具合よかったです。逆にマクロモードは記憶されます。ちなみに設定された状態は「MENU」キーを長押しすると表示されます。シャッターを半押ししてピントが合うとモニターの左上に合焦マークが出て音が鳴ります(設定で変更可能)。その上絞り値やシャッター速度も表示されるので手ぶれの目安になります。
先代までのジョグダイアルを装備した操作面は一新され、十字キーを中心に操作します。ほとんどのスイッチが右側に集中する上、撮影・再生切替やメニューの決定スイッチなども大変使いやすい位置にあります。その一方で先述の電源スイッチやシャッターボタン、そしてモードダイアルの使い心地が今ひとつです。シャッターは節度感も乏しく、小さめで半押しの感覚も中途半端です。モードダイアルは従来機に比べ小さくなりこれだけがボディからはみ出すので、普通に持っているだけでいつの間にか回ってしまい、単写のつもりでシャッターを押したら動画モードだったりといった失敗もあります。このダイアルだけは従来のように大きくし、その真ん中に大きめのシャッターボタンを配する方がよかったです。
DiMAGE XもFinePix F401もそうでしたが、表面の処理が大変滑りやすくて、市販のすべ止めを貼って対応していました。このDSC-MZ3もグリップ形状がなく滑ってしまいそうな予想をしていました。しかし実際に使ってみると、ほとんど滑りません。ステンレス合金製になったのですが表面の処理がよくすべり止めを使わずに済みます。ただし見た目の印象はあまりいいものではありません。特に前面のデザインは何回見ても納得できません。
撮影した画像をパソコンで開いてみます。はやりやや明るめに写っています。マイナス0.3くらいが丁度良さそうです(もっともFinePix F401もそうでした)。解像感はFinePix F401に比べ明らかに劣ります。まぁ200万画素ならこの程度かと考えられなくもないのですが、今やコンパクトタイプでも500万画素の時代です。もう一息の解像度が欲しかったです。特に遠景では葉がつぶれ、建物の輪郭もぼやけます。あまり拡大しないで見ればいいのですが。露出がオーバー気味なので一概に言えませんが、発色はかつてのDSC-MZ1よりも適正で、かつ大変豊かなものです。リアルカラーイコライザーでいじれるので色に関しては楽しめます。
まだ動画や連写性能は試していませんが、単写で言えばスナップカメラとしては十分な性能です。設定を色々変えてみて楽しめるのでコストパフォーマンスもかなり高いと言えます。欲を言えば300万画素くらい欲しかったかな。
| サンプル画像(サムネイルをクリックしてね) | ||
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| 遠景-ワイド端(37mm相当) | 遠景-テレ端(111mm相当) | マクロモード |
| プログラムAE 1/415秒 F5.6 ISO:100 露出補正+0.0EV |
プログラムAE 1/260秒 F8.3 ISO:100 露出補正-0.3EV |
絞り優先AE 1/2500秒 F2.7 ISO:100 露出補正-0.9EV |