富士フイルム FinePix F401
(1)第一印象(2002.7.23)
これまで愛用していたミノルタのDiMAGE Xは、そのたぐいまれなコンパクトさと起動の素早さなどで大変気に入っていました。ただし、フラッシュの設定が電源ON/OFFの度にリセットされてしまう点、望遠側でも使えるとはいえマクロモードが25cmまでしか近づけない点、画質が200万画素といってもやや解像度や発色などで物足りない点などに不満がありました。これが理由ではありませんが他の方の手に渡ったため、今回またコンパクトデジタルカメラを探すことになりました。
持ち歩き用のコンパクトデジタルカメラは、多機能であることよりも使い勝手が重視されます。特に起動の早さの重要性は、DSC-MZ1(三洋)が非常に遅かったのに対して、2秒程度というDiMAGE Xとの差で実感しました。最近のコンパクトデジタルカメラは、レンズが沈胴式でも3秒程度というものが多いので、その点では問題なさそうです。
一方画質ですが、解像度がどうということよりも露出やホワイトバランスの適合性が問われます。取り出してすぐにシャッターを押せるくらいのレベルでないと、いちいち露出補正を頻繁にやっていてはシャッターチャンスを逃します。また合焦もうまく合わなかったり時間がかかるのも困ります。
これらのポイントで選択にかかります。しかしコンパクトデジタルカメラの市場は膨大で、製品の種類もまた数え切れません。あらかじめメーカーやデジタルカメラ関連の記事を掲載するHPなどでスペックを調べて数機種に絞り店頭で実機の感触を確かめます。まずソニーのサイバーショット系は個人的な好みからハズレ。同様にキヤノンのIXY DIGITALも、初代の発売当時の人気の異常さからどうも好きになれずパス。いわゆるIXY DIGITALフォロワーの数々も一長一短です。そして残ったのが富士フイルムの「FinePix F401」でした。発売されたばかりでまだ評価があなり聞かれないのですが、以前同社の「FinePix4500」を使って大変好印象だったので、期待して店頭へ行きました。実際に触ってみるとその起動の早さは問題なさそうです。沈胴式にしては快適な操作性です。メニューも比較的分かりやすいもので、ボタン類の配置などもよくこなれてきました。64MBスマメ付きで49800円にて購入。早速使ってみます。
以前使っていたFinePix4500に通じるスクエアなデザインで、サイバーショットなどの横長のカメラに比べ右手の指がかかりやすくなっています。薄さではDiMAGE Xの20mmにはかないませんがこれでも充分ポケットサイズです。ストラップ取り付け金具が右側に付いていて回転できます。アクセントにもなっています。電源を入れると3秒間青色LEDが発光します。こちらもアクセントとしてアピールされます。バッテリーの充電中やセルフタイマーの作動時にも発光します。ただ左手を添える場所がなく、左側のホールドには問題があります。光学ファインダーに支障がありますが、上下から掴むようにして持ちます。
バッテリーの充電には、通常本体からバッテリーを取り出して専用の充電器を使って充電します。しかしこのFinePix F401は本体に入れたまま、ACアダプターから出ているケーブルを直接カメラに差し込んで充電します。いちいちバッテリーを取り出す手間が要らない点、充電器本体の分だけ荷物が減る点では有利です。ただしもう一つ予備のバッテリーを購入し、一方で使用しながら他方で充電するという使い方ができません。もっともこのカメラはメーカー公称値(液晶モニターOFF、ストロボ未使用など)で連続5000枚もの撮影ができるほどの省エネモデルです。そもそも予備のバッテリーの必要性すらなさそうです。ただしフル充電までに3時間を要するのはやや長すぎると思います。
バッテリーは携帯電話などで見る薄型のリチウムイオンです。継ぎ足し充電ができてニッケル水素バッテリーよりも使い勝手に優れます。ただし気になったのは、DiMAGE Xのようにかまぼこ型ではなく表も裏も同形なので、本体に挿入する際に方向を間違えがちです。矢印が付いているものの、暗所では役に立ちません。ただし先述の通り本体に入れたまま充電できるため、実際にはほとんど気になりません。スマートメディアも同じスロットに入れます。こちらは問題なくスムーズに入ります。USBにてマスストレージクラス対応のため、ほとんど取り出すことはありません。カードリーダーを使う場合でも出し入れは比較的やりやすいと思います。しかしスマートメディアはこのモデルを最後に採用デジタルカメラがなくなります。「xDピクチャーカード」という小型メディアに切り替わるためです。もし大容量のスマートメディアが必要ならば今のウチに確保しないと店頭から姿を消すかも知れません。

電源スイッチですが、どこにも「POWER」とか「ON/OFF」とは書いてありません。グリップに当たる部分がスライドスイッチなっています。知らないとどうやって電源を入れるのかわからないかも知れません。でも慣れることで、これ自体は問題になることではありません。しかしこのグリップが金属製のような表面処理のために滑りやすく、指先が引っかかるような突起などもありません。電源を入れた際に光る青色LEDの部分はやや高い位置にあるので指先がかかりません。仕方なく、DiMAGE Xで使っていたすべり止めをLEDの下に貼りました。これだけでこの問題は一気に解決です。メーカーさんには最初からこういった配慮が欲しかったと思います。
スイッチが入るとレンズバリアがスライドしてレンズが飛び出します。まもなく液晶モニターが点灯。ここまでで約2秒ほどです。これなら起動にいらつくことはありません。終了も同様です。しかしレンズが飛び出していないDiMAGE Xに比べ使用中にレンズを当ててしまわないかとちょっと気になります。裏面には細長いボタン類が並びます。これまで富士フイルムのデジタルカメラの場合、マクロモードへの切替はいちいちメニューを開かないとできませんでした。しかしこのモデルでは専用ボタンで簡単にできます。ストロボ設定も同様で、電源の入・切でもストロボや露出補正値の設定を保持します。ズームは上下に動かすレバーで行いますが、スピードやレスポンスも悪くはありません。画素数モードの設定によってデジタルズームが使えます。
気になったのは露出補正が相変わらずメニューでの操作になっていることです。後述しますが基本的に露出は適正なのであまり補正する機会がないとはいえ、やはりメニューを開かなくても使えるようにして欲しかったです。シャッターは半押しからの押し込みが軽いためについうっかりシャッターを切ってしまいます。撮影直後に画像が表示されるように設定できます(ポストビュー)。しかし撮影・再生のモード切り替えがそれほど苦になりません。
液晶モニターは比較的見やすく明るいもので、暗所では感度アップして暗くならないようになっています。しかしかなり青みが強く、モニターで見た後にシャッターを切って表示されるポストビューの色との違いが相当あります。モニター上ではホワイトバランスに関しては参考になりませんね。一度撮影してみてから再生しないとわかりません。ただ概して撮影そのものにおおきなストレスは感じませんでした。
再生モードでメニューボタンを押すと、いきなり削除メニューが出ます。いちいち削除の項目を選択しないとできなかったDiMAGE Xに比べ直感的で素早く削除できる点は好感が持てます。ただし多くの画像から削除したい画像をあらかじめ選択して置いて一気に削除(選択削除)できないため、残したい画像を置いて他を削除する手間は劣ります。またコマナンバーメモリーの機能がありません。フォーマットは勿論、画像ファイルを全数削除してしまうと最初からの番号「dscf0001.jpg」になってしまいます。最後の一枚を残せば続きから番号が振られますが、削除のしにくさもあってここはやはりコマナンバーメモリーの機能が欲しかったです。
さていつもの場所で40枚ほど撮りました。やはり起動が早く撮影のリズムを崩しません。合焦も思いの外早くてしかもDiMAGE Xに比べピンぼけしにくいようです。感度を200(ISO相当)に固定して使いましたが、そもそもの感度が高めなので手ぶれしにくかったです。しかもフルオート機とはいえ画面の下にシャッターを半押しした時のシャッター速度と絞り値を表示してくれるので、目安になります。予想通りバッテリーもかなり保ちそうです。なくなるまで使用したわけではありませんが、少なくともDiMAGE Xでは半分の警告が出た50枚目ほどでもまだ余裕がありました。
撮影した画像をPCで開いてみます。やはり4メガモード(2304X1728ピクセル)での画質は相当キレイです。厳密には400万画素ではなく、実際にも400万画素機の解像度にはかないません。しかし普通の200万画素機に比べればかなり高精度に感じます。2メガモード(1600X1200ピクセル)でも充分に見栄えがします。拡大して解像度を見ると、4メガモードと2メガモードの間ではそれほど大きな差はありません。画像が大きくならない2メガモードでも常用できます。露出は非常に適正になされています。木漏れ日が入っても、明暗差が激しくても見たとおりに近い露出が得られます。DiMAGE Xがやや中央重点測光気味だったのに対して、こちらは画面全体を上手に見通しているようです。
従来の富士フイルムのデジタルカメラは発色の点で不自然に彩度やコントラストが高めに出がちです。このFinePix F401も緑の葉を見るとややオーバー露出で彩度も高めです。花の色も同様で、個人的にはもう少しだけおさえて欲しかったところでした。レタッチしようにもレタッチの余地がほとんどないのです。そのままプリントできるメリットはあるものの、やはり気になります。露出補正が電源の入切にかかわらず保持されるため、マイナス0.3EVをデフォルトにしています。
そうはいっても第一印象は比較的良好です。お散歩カメラにも最適といえます。特に25cmだったDiMAGE Xにくらべ10cmまで寄れるマクロは道ばたの小さな花などにも使えます。欲を言えばワイド端だけでなくもう少しズーム中域でも10cmまで寄れたらと思いました。
富士フイルム FinePix F401 サンプル画像
共通データ:画像サイズ=4Mモード(2304X1728ピクセル)、画質=FINE、ISO=200相当、ホワイトバランス=オート、露出補正=なし
(2)第二印象(2002.7.24)
今日も少しばかり使ってみました。そこで気が付いたことです。
このカメラにとって最大の謳い文句とも言えるスライド式の電源スイッチですが、やはりはっきり言って「使いにくい!」です。以前使ったことのある「FinePix4500」の場合、カメラの上面にスライド式のスイッチがありました(右写真)。ここぞ!と言う時に手元でスライドさせ、構える時にシャッターに指を掛け替えればいいだけです。非常に素早くて間違いなく操作できます(この点、DiMAGE Xは押しボタンなのでうっかり押してしまう)。
ところがFinePix F401のグリップを兼用したスイッチは、表面の滑りやすさに加え操作に必要な力も大きく、そもそもグリップをスライドさせること自体に違和感があります。青色LEDの光に騙されてしまいそうですが、このスイッチは「失敗」だと断言します。
メニューの画面は下から飛び出してくるようなアニメーションでなかなか面白いです。カラーリングも綺麗で楽しめます。しかし再生メニューの時にはメニューの左右の端に行き着くとまた反対側に回り込みます。つまりローテーションしているのです。しかし静止画や動画の撮影メニューでは端に行き着くとその先へは行けません。またいちいち戻らなければならず、例えば設定の画面(右端)からホワイトバランス(左端)へ移動するにはその間のメニュー項目を経なければなりません。こちらもローテーションさせて欲しいものでした。
ついでにメニューですが、電源を入れた直後は必ず画像サイズの選択画面にリセットされます。電源を切る前に例えば露出補正を施しても、一旦電源を切ってしまうとまた画像サイズに戻ってしまいます。この設定も保持して欲しかったです。
もうひとつ、ストロボの専用スイッチができたのはいいものの、「AUTO」の次がなぜ「赤目防止」なのか。最も使いたい「発光禁止」は3番目、そこまで何回もボタンを押さなければなりません。この設定にも疑問が湧きます。