051  臨済宗 沢田山 大中寺(さわだざん だいちゅうじ)

  沼津市中沢田457
   TEL.(055)921−1086
  • 本尊 不動明王
  • 本山 京都市花園 妙心寺
  • 開山 夢窓国師(むそうこくし)  
 愛鷹山の裾野の南端に位置する大中寺は、山号を土地の名称そのままに、沢田山といいます。本尊さまが不動明王であることから知られますように、元々は近在の寺院の歴史と同じように、真言宗のお寺であったと伝えられています。

 夢窓国師は、正和2年(1313)39歳の時、甲斐の国より、河口湖を経て、富士山の北側から裾野を辿り、愛鷹山中に修禅の地を求めて、弟子7,8人と庵を結んで修行されました。その場所は、現在、山居(さんきょ)と呼ばれ、沼津市の教育委員会により、中世山岳寺院跡として史跡として指定されています。残された石垣等に、寺院跡としての面影が感じられます。

 奇しくも、今年(2000年)は、夢窓国師の650年諱(き)にあたります。このような縁をもつ庵室を移したものが臨済宗大中寺の源であると考えらています。

 現在の大中寺に夢窓国師が住まわれたとは考えにくいですが、境内を流れる山清水(やましみず)は、開山さまが「これへ、これへ」と杖を以て指し示すと、その杖の跡に従って流れ下ったと伝えられる灌漑用水です。この流れを中心に歴代の和尚さまが庭の維持、管理に心血を注いできました。明治31年から33年にかけて、天皇家の御遊のために造成された梅園は、めでたく百年の歴史を刻みました。梅園の中にある恩香殿(おんこうでん)は、沼津御用邸からお成りの皇室のための休息所として、真覚玄璋(まさめげんしょう)和尚により明治42年に建てられました。この建物は、文化庁において今春、文化財登録原簿への登録手続きが行われました。

 歴代の和尚さまが大切に護ってきた、境内のもつ古格を心して後世に伝えて行きたく思います。大中寺では特別なお祭りはありませんが、永年にわたって2月11日には、梅見の会を催してきました。昨年からは、梅花文学賞の贈賞式も兼ねています。1日、清遊にお出掛けください。きっと心満ち足りる一日となることでしょう。

                 住職 下山 光悦(しもやま こうえつ

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