都市環境における塀・生け垣の研究について

 当会の設立目的の文化的側面として表題のテーマを選択しあした。選択理由は、ブロック塀は、地震対策から改築の声が高く、その他、コンクリート塀、板塀などがありますが、地球環境から見て、緑の喪失、砂漠化が問われており、生け垣が良いではないでしょうか。生け垣が形成されない理由はどこにあるのでしょうか、ということです。

 このテーマの研究は、現在まで10数回に渡り報告会が開かれています。まず、塀の歴史を考えると、

 1.外敵や動物の侵入・侵略を防ぐ

 2.権威や威容を誇る

 3.逃亡を防ぐ

 4.美観

 5.危険からの隔離

 6.自然の回復

 7.見通しを妨ぐ

 8.防火、防風、防音など種々の役割が期待されてきました。

 近代都市では、一方では敷地の狭小さから塀が無意味なものとなりつつあますが、他方では騒音公害や治安の悪化も進み、塀の利用価値はまだ失われていません。アメリカ合衆国など塀を作らないところも見られ、塀の必要性とその設置内容と程度は、経済性、心のゆとりなど文化的態度などから選択されてきていると報告されています。

 そこで、生け垣の経済性が検討されましたが、ブロック塀やコンクリート塀は、設置すれば、その後の維持管理費は不要となりますが、生け垣では、毎年成長していくことと病虫害の問題があり、メンテナンスの上で大きな障害があること、また、盗難や治安上の対策から弱いではないか、が指摘されています。皆さんはいかがお考えでしょうか。

ニュージーランド、クライストチャーチのロイズ、ストリートは、各家庭とも花が四季を通じて絶えることがないように手入れがされて、バラの季節が最もきれい。と言われます。今後の課題としてこういう箇所の見学もしたいですね。


 地球環境が変わりアフリカ、中国などの砂漠は拡大方向にあります。毎年、600万ヘクタールという膨大な面積の砂漠化が進んでいます。他方、地球温暖化が進んでいます。工場や自動車などによる化石燃料の膨大な消費は、CO2の増大をもたらし、地球の本来持つ大気の浄化作用を越えています。このような地球温暖化は、地球の砂漠化に拍車をかけています。

 日本国内では、砂漠化の話はないようにも見られますが、緑地が開発され、都市化が進んでいます。都市化は、ビルディングの建築や道路整備でありますから、いわば植生を拒絶するコンクリートの増大です。いいかえれば、日本においても砂漠化と同様の結果が発生していると言っても過言ではないでしょう。せめて塀は、コンクリートやブロック製ではなく、生け垣にしたいと考えます。また、散歩をする際、花壇や生け垣のある町並みを歩きたい、また、来たいと言うような都市環境を欲しいと思います。

 宮城沖地震の時、ブロック塀の弊害が取りざたされました。ブロックが倒れる、ブロック塀が消火活動ができない。だから、生け垣を進めたい。しかし、生け垣は、それほど増大していません。相変わらずコンクリートや石垣の塀が建築されています。これはなぜだろうか。当会は、このような動機から生け垣の研究をしています。

 現在、静岡県東部の地方自治体は、住民にどのような援助をしているのでしょうか。この観点から富士市、富士宮市、沼津市、三島市、熱海市、御殿場市、裾野市、田方郡清水町、長泉町の生け垣に対する補助金制度の存否、内容、実績の調査を行っています。また、生け垣設置を義務づけ化している条例はないであろうか、その他の制度・政策は考えられないであろうかの検討もしています。当会は経済シリーズと文化シリーズの交互のテーマがありますから、本テーマの検討は1ヶ月置きの会合とその準備となります。従って、研究の成果速度は速くありません。しかし、生け垣についての報告書作成に向けて資料の充実に努力しています。


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