_ ◆ 骨髄移植とは? ◆ _

 命をすくえるのはあなたかもしれない 

白血病、再生不良性貧血、先天性免疫不全症などの血液難病は、依然は有効な治療法がなく、治りにくい病気でしたが、骨髄移植により、健康を取り戻せるようになりました。しかし、骨髄移植を成功させるには、患者さんと骨髄を提供してくださる方(ドナー)の白血球の型(HLA型)を一致させる必要があります。HLA型が一致する確率は兄弟姉妹で4人にひとり、それ以外では数百人から数万人にひとりとまれな為、骨髄移植を受けられない患者さんが少なくありません。

一人でも多くの患者さんのいのちを救う為にご協力下さい。この世界のどこかに、あなたしかいのちを救うことの出来ない誰かがいるかもしれないのです。いのちを救えるのは、あなたかもしれません。

● 骨髄移植の方法 ●


●骨髄とは
骨髄は、腰や胸の骨の内部にあるゼリー状の組織で、血液を造っています。そこは骨髄液で満たされており、この液体中には赤血球、白血球、血小板といった血液成分のもとになる骨髄幹細胞が含まれています。

■骨髄が造る主な血液成分と機能 

赤血球:体内に酸素を運ぶ  
白血球:病原体から身体を守る
血小板:出血を止める

●骨髄移植とは

 
患者さんの病気におかされた骨髄幹細胞を、ドナーの方の健康な骨髄幹細胞と入れ替える(実際は骨髄液を点滴静注する)ことにより、正常な造血機能を回復することができます。これが骨髄移植です。 つまり、骨の移植ではなく骨髄幹細胞の移植のことです。太い神経が走行している脊髄とは関係ありません。


骨髄移植が対象となる病気

白血病
血液を造る細胞の異常で、ガン化した血液細胞のみ増え正常な血液が造れなくなる病気。

再生不良性貧血
血液を造る骨髄幹細胞の機能が低下し、血液成分が極端に少なくなるため、出血・感染・貧血等が問題となる病気。

先天性免疫不全症

身体を守る免疫機能が、生れつき低下しているため感染症にかかりやすくなる病気。

疾患別の血縁者間における治療成績(5年間非再発の生存率)
 

重症再生不良性貧血 
慢性白血病      
急性白血病      
先天性免疫不全症など 
  *年齢・病気の状態により成績は異なります。
70〜90%
40〜80%
30〜70%
50〜80%


●骨髄移植の実際


<前処置から>
 
患者さんは、骨髄移植の約2週間前から、移植の準備に入り大量の薬の投与や放射線の照射をうけます。その結果患者さんの骨髄幹細胞はすべて壊され、血液が全く造れなくなります。そのため感染症などにかかりやすくなり、極めて危険な状態になります。
患者さんは、激しい吐き気や全身の脱毛などの副作用に耐え、いのちがけの治療に取り組むことになります

<骨髄移植は点滴と同じ> 

移植当日、健康なドナーの方から採取した骨髄液は通常の輸血と同じように、点滴で数時間かけて静脈から患者さんに注入されます。

<造血回復から社会復帰へ> 

患者さんは無菌室(滅菌消毒された部屋)で拒絶の反応や感染症などに注意しながら過します。やがて移植された骨髄が働き始め、正常な血液成分を造るようになると一般病棟に移り、良好な経過をたどれば退院し、社会復帰することができます。

赤血球にABO式の血液型があるように、白血球にもHLA型という型があります。HLA型はヒト白血球型抗原の略で、骨髄移植の成功を握る各人固有の遺伝性の抗原です。数万通りの組合わせがあります。HLA型は、両親から各座半分ずつを遺伝的に受け継ぐため、兄弟姉妹間では4分の1の確率で一致します。しかし、親子ではまれにしか一致せず、非血縁者間(他人)では、数百〜数万分の1の確率でしか一致しません。

 

 ●様々なHLA型の座
A座 B座    C座 D座 DR座 DQ座 DP座
A1 B5 B40 Cw1 Dw1 DR1 DQ1 DPw1
A2 B7 B41 Cw2 Dw2 DR103 DQ2 DPw2
A203 B703 B42 Cw3 Dw3 DR2 DQ3 DPw3
A21012 B8 B44(12) Cw4 Dw4 DR3 DQ4 DPw4
A3 B12 B45(12) Cw5 Dw5 DR4 DQ5(1) DPw5
A9 B13 B46 Cw6 Dw6 DR5 DQ6(1) DPw6
A10 B14 B47 Cw7 Dw7 DR6 DQ7(3)  
A11 B15 B48 Cw8 Dw8 DR7 DQ8(3)  
A19 B16 B57(17) Cw9(w3) Dw9 DR8 DQ9(3)  
A23(9) B17 B58(17) Cw10(w3) Dw10 DR9    
A24(9) B18 B59   Dw11(w7) DR10    
A2403 B21   Dw12 DR11(5)    
B22      
B27      
B35      
B37      
A66(10) B38(16) B75(15)   Dw23 DR51    
A68(28) B39(16) B76(15)   Dw24 DR52    
A69(28) B3901 B77(15)   Dw25 DR53    
A74(19) B3902 B7801   Dw26      

●移植成功のキーポイント
 
HLA型の一致しない骨髄移植は、拒絶反応などの副作用により成功は得られません。骨髄移植ではHLA型の座のうち、A座・B座・DR座の3座(1座につき2個、合計6個)の適合が必要です。