1章 はじめに

 

私立学校の財務三表

 

私立学校は毎年、計算書類を作成しなければなりません。その計算書類の主なものは次の3つで財務三表といいます。

 

@

資金収支計算書

A

消費収支計算書

B

貸借対照表

 

 静岡県は私立高校の情報公開を後押ししており、ホームページなどで公開した学校に対しては補助金に一定の加算をしています。県の公文書開示やホームページ上で公開される計算書はこの3つの計算書であり、その大科目(貸借対照表は中科目まで)だけです。三つの書類をあわせても、行数にすると、横書き、40数行です。

 

このホームページで扱う財務三表は

私立学校法が改正された平成17年度から私立学校の財務三表は原則公開になりました。私立学校の父母、教職員、労働組合などが学校に閲覧を求めたら学校は拒否することができなくなったのです。

それに合わせ県が各学校から集めた財務三表の公文書開示の仕方も変わりました。

それまでは県は一応開示はするが、借入金に関する情報や、収入と支出の合計、翌年度に繰り越し金額などはマジックで黒く塗りつぶされ、正式な計算書とは到底いえないものでした。しかし、私立学校法の改正によって、わたしたちが求めれば、すべての大科目は明らかにされるようになりました。

平成17年度から静岡県内の各私立高等学校の財務三表の開示を県に求め、平成21年度でちょうど5年になったのでまとめたものです。したがってこのサイトに出てくる会計の情報はすべて静岡県内私立学校の数字そのままを載せたものです。

 

公文書開示の大科目だけで財政分析はできるのか

 

公文書開示で明らかにされた大科目、つまり40数行だけで、学園財政の動きを知ることは十分可能です。学校の財政の最も重要なことは、その年度の収入の合計と支出の合計はいくらで、その差額はどれくらいになり、それが次年度にどのように引き継ぐかということです。次年度にどのように引き継いでいくのかが大事ですから、複数の年度、なるべく多くのつながった年度の財務三表を調べたら分析はより正確になります。

その年度の大科目のすべてを寄せ集めれば、収入と支出の合計になります。その年度のすべての大科目には学校の会計情報がすべて詰まっています。

 

簿記会計は苦手、貸方、借方、仕訳などの知識はないし、数字が苦手という方でも

このサイトを理解するには仕訳や、貸方、借方などの知識は一切要りません。最低、現金出納帳の知識があれば十分です。しかし、その現金出納帳も数字の読み取りや計算は不要です。

学園財政のほとんどはグラフで表しました。グラフにすると、大きさが実感できるし、大きさを比較することによって、把握がリアルになります。学園財政全体が直感的にイメージできます。

学校の活動を3つ(教育、施設拡充・維持、財務)に分けて解説

「日本の私学財政」(日本私学振興共済事業団が毎年発行している。全国私学(大学、小中高)財政の集計、分析の資料)は高校法人については平成22年度から私立学校の活動をA(教育研究)、B(施設設備の維持・拡充)、C(財務活動)と3つに分け、学園がどのように資金を調達し、どんな形で運用しているのかを営利企業が採用しているキャッシュフロー計算書に準じて解明を試みています。3つに区分することにより、学園の財政運営はよりはっきりとつかめるようになりました。

このホームページでは「日本の私学財政」から一歩進めて学校の3つの活動を消費収支計算書にも当てはめ学園の資産全体の動きをとらえました。

3つに区分すると、貸借対照表、資金収支計算書、消費収支計算書の相互の関係がはっきりします。

グラフの効用

経理分析の専門書には比率がよく用いられます。しかし、比率というのは基本的に、A÷B×100 で示すものです。日頃財務三表を見る機会が多い専門家なら比率の意味がすばやく理解できますが、わたしたち一般の市民にはわかりにくいものです。また比率それ自体は大きさでありません。比率を算出する前のAとBの大きさを目で確かめたほうがより具体的です。

学校に授業料や補助金が入ったり、先生に対する給料を支払ったりした場合、それらの活動の一つ一つが資金収支計算書と消費収支計算書の両方またはいずれかに記録され、必ず貸借対照表に反映しています。グラフで表すと、なぜそのような変化をしたのか、学園財政は窮迫しているのか、資金的余裕があるのかがはっきりと示されます。

 

 

 

 



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