富士山麓にヨウム啼く 番外編 アキレス腱断裂記10 再断裂(術後43〜49日) 27 Oct.2001


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2001年10月21日(日)43日目  再断裂1日目(涙) 

●前日の疲れから、朝寝坊する。普段よりもずっと長く寝て、腰が痛くて目が覚めた。
1日のんびりしようと最初から決めていたので、前日に買ったDVDを見て過ごすことにした。
前日パンパンにむくんだ左の足首やふくらはぎは元にもどっていた。
夕方、2枚目のDVDを見終わってトイレに行ったら大きなクモがいた。
Sはクモが怖くて大嫌いなので、私がトイレの窓を開けてクモを外に逃がしてやった。
そしてトイレの窓を閉めようとして、転んで左足を思いきり床についてしまった。
運悪く松葉杖をして転んだので、松葉杖が外れて全部の体重が勢いよく左足にかかってしまった。
ブツッという音はしなかったものの、足首の外側と内側が腫れて、手術して縫った傷口が1センチほど開いてしまった。
病院は生憎外科の先生がいなかったので、応急処置をしてもらい、痛み止めを貰って帰宅した。
X線写真では骨折はしていないし、万一アキレス腱の部分的な再断裂だとしても、翌日の診察検査で十分間に合うと
教えてもらった。翌日外科で診察を受けて、リハビリの先生ともこれからの計画を相談しなおすことになるようだ。

●病院から帰ってくる頃から痛みがさらに強くなり、ふくらはぎも痛くなってきた。また手術して入院だろうか…と考えると
せっかくここまで回復したのに…と、自分の不注意さが悔やまれる。
いずれにしても、明日診察を受けてみないことには部分的な再断裂なのか、それほど深刻なものでないのか判らない。
とにかくまだあまり深刻にならずに、明日勧められる治療に従ってみようと思う。


2001年10月22日(月)44日目  再断裂2日目  再びギプス装着


覚悟を決めて入院の準備をする

●病院で前日処方してもらった鎮痛剤の飲み薬と座薬を使って早めに寝たおかげで、前日にがっかりして落ち込んだ気持ちも
だいぶ元に戻ってきた。少し足首の腫れもひいてきた気がした。
昼前に病院に連れて行ってもらうことになったので、それまでにシャワーを浴びて体も頭も3度洗いする。
そしてすぐに入院でも大丈夫なように荷物を少しまとめた。
シャワーを浴びる前に手術痕を覆ったガーゼをはがしてみたら、手術痕の一番下の部分の少し上が1センチほど縦に切れていた。
かかとの周りが腫れて痛い。ふくらはぎも痛いので、これはやっぱり手術だろうかと覚悟を決めた。
昨日は左足があまりにも痛くて気付かなかったが、1日経ってみると右足首や膝、そして転んだ時にとっさに床についた
両手のひらと手首が痛くて、ケンケンやハイハイも辛かった。


部分断裂

●午前中の一番最後に飛び込みで院長先生に診察してもらう。ベッドにうつぶせになり、アキレス腱やふくらはぎなどを揉んだり
握ったりしている。入院中にお世話になった外科の先生がもうひとりやってきて、2人の先生で相談しながら触診が続く。

  「ここは痛い?」
  「痛くないです」
  「ホントですか?」
  「我慢できないほどは痛くないです」
  「我慢しないでください。正直に言ってください」
  「…痛いです」
  「(笑)」

という笑い事ではないのに妙に面白いやり取り後に出た結論が「(手術して繋いだアキレス腱が)伸びてるね」というものだった。
よく分らなかったので、今度は私が先生に聞く番だった。

  「伸びていると言いますと?」
  「アキレス腱に段差ができちゃったね」
  「段差と言いますと?」
  「部分的に切れたみたいですね」
  「(ガーン)…
どのくらい切れているんですか?」
  「ちょっとね」
  「ちょっとと言いますと?」
  「全体の3分の2が切れてます」
  「(ガーンガーン)…」


先生2人は「全部切れたわけじゃない。まだ繋がっている」と慰めてくれるのだった。
説明によると、平たい幅の広いゴムベルトがアキレス腱だとすると、両端は繋がっているが、真ん中が切れているそうだ。
辛うじて両端が繋がっているので、少しだけ足首が動くのだとのこと。先生2人は「手術するとすると…」と相談を始めた。

●そしてこの日の結論は、治療の方針はまだ性急に立てる必要はないだろうとのことだった。
アキレス腱断裂の場合、おおまかに言うと次の3つの治療方針があるそうだ。
 1断裂後即刻手術するケース(これが私が最初にしてもらった処置)
 2腫れなどがひどい場合は腫れがひくのを待ってからアキレス腱再建手術をするケース
 3一番時間がかかり、アキレス腱の強度も手術によるものと比べて弱くなるが、ギプスによる固定で自然にアキレス腱が
  繋がるのを待つケース(術後の機能障害が起こりにくいので、スポーツ選手でこの方法をとる人もいるそうだ)


再び爪先立ちの格好でギプス装着

●今回は腫れも痛みも強く、部分断裂なので、まずはギプスでアキレス腱を縮めた形で(爪先立ちの形で)ギプスで1〜2週間
固定してから方針を決める方がいいのではないかとのことだった。
手術療法は糸でアキレス腱を繋ぐため、再建されたアキレス腱は比較的強いものになるが、1ヶ月半のうちに2度も手術を受ける
患者の気持ちを考えると気の毒だ。ギプスによる固定療法はギプス装着期間が手術による治療よりも遥かに長く、ギプスを外した
後もアキレス腱にすぐには負荷がかけられない。仕事などの関係で治療期間が大幅に長くなると困る人には不向きである
__以上のような手術する/手術しない2通りの治療法のメリットとデメリットを挙げてもらった。
私も先生たちも即断即決しない方がいいと判断し、先生たちの提案に従って1〜2週間ギプスをして様子を見てから
方針を決めてもらうことにした。

●そしてまた膝下まで、爪先立ちの状態でギプスが巻かれていった。このギプスは手術直後にしてもらった第一期のギプスと
まったく同じだ。ゼロに戻ってしまった__もしかしたらゼロよりも遥か手前のマイナスに戻ってしまったのではないか?
__という気持ちになってしまう。リハビリの先生が廊下で待っているSに偶然会い、診察室に寄っていってくれる。
せっかくあと3週間というところまで来ながら、とても済まないなという気持ちがまた込み上げてくるのだった。
診察室を後にして、会計を待っていると、看護婦さんがやってきた。次回通院を今週土曜日にしてくださいとのことだった。
もしかしたら、最初に思っていたよりも少し早く、今週の土曜日に方針が決まるかも知れない。

●ギプスを再び装着して帰宅し、すぐにヨウムの部屋のドアを開けた。
前回ギプスを見ると大喜びしていたので、今回もきっと大喜びだろうと思ったのだが…ギプスを見ても無視して、しれーっと
している。こんなドジに付合っていられないらしい(涙)


2001年10月23日(火)45日目  再断裂3日目


筋トレ

●ギプスがもう緩くなって、片手を奥の方まで差し込めるようになった。
9月に怪我をした時と同じように、左足の指は違和感なくよく動かすことができる。
脚を真直ぐ伸ばし、左足の指にバンダナやボールペンを握ってみる。
それから椅子に座って腿の筋肉が落ちないように、左脚を上下させる運動も始めた。


痛いより痒いのが辛くなった

●しかし、やはり痛いのよりも「痒い」方が辛くて我慢できず、ウェットティッシュを足掻き専用にした菜箸に巻き付けて
ギプスの中を擦ってみるのだった。ウェットティッシュを引き上げようと思っていた時、箸からティッシュが抜けて、
ギプスの中のどこかにいってしまった(焦)
ウェットティッシュのような湿ったものをまだ口が塞がっていない傷があるギプスの中に置いたままにするのも
どうかと思ったので、長い棒総動員でティッシュ回収に励む。
耳掻きや定規も使って、足の甲の方からと膝の方からギプスに差し込んで隙間を空けてやっとウェットティッシュ回収に成功。
最初にギプスをした時はしばらく痒くならなかったのに、今回はすでに装着2日目にはもう激痒なのだ。この先が思い遣られる。

●夕食の材料をウィークデーだけ配達してもらっているのだが、最初は10月いっぱいだけ頼めばあとは自分で買い物にも
行けるだろうと思っていた。しかし11月どころか12月まで配達をしてもらうことは確実そうだ。
そして10月いっぱいレンタルしている車椅子もあと2ヶ月くらいレンタルを延長することになりそうだ。



2001年10月24日(水)46日目  再断裂4日目


ケンケンが少しできるようになる

●先日転んだ時にいためた右足首がやっと痛くなくなってきた。
これまで痛くてケンケンができなかったのだが、少しだけならケンケンも大丈夫そうだ。
だがまだ手のひらの痛みがとれず、ハイハイは不便だ。


家族の負担

●私の回復をひたすら願っていたSも、かなり今回の再断裂はショックだったようだ。気がつくと溜息をついてしまうそうだ。
朝6時前に洗濯物が洗い終わっているようにセットして、起床するとすぐに洗濯干し、部屋の片付けと掃除機がけ、
ヨウムの世話、朝食の支度と片付けその他いろいろして出勤し、仕事帰りに買い物してくる。
家に着くと夕食の片づけ(夕食の支度は私がしている)、洗濯物を取り込んで箪笥にしまい、掃除機がけやトイレなどの
掃除etc…と、一人でほとんどの家事をしているからだ。
毎日私が自分ひとりでできる家事や身の回りのこと(たとえば、自分でタンスの引き出しをあけて着替えを出すことや、
本棚の本を出し入れするなど)が増えてきていたので、私と同じくらい__ひょっとしたら私よりも喜んでいたようだ。
そんな折りにまた自分の不注意でギプスに戻り、もしかしたら近いうちに再手術という事態になってしまって、
Sには申し訳ないと心から思っている。

●物をとってもらうなどの些末な身の回りの世話から家事、通院の送り迎えなどなど細々したことまでやってもらって
いるので、私は家で療養することが可能なのだが、もしも面倒を見てくれる家族がいない場合はどうしたらいいのだろう?
完全に治ってリハビリが完了するまで入院するのだろうか?
それともたとえ短期でも家庭にいながら公的・準公的な介護を受けられる制度があるのだろうか?
これは実は調べたけれど、答はわからないのだった。


夜寝る前の日課

●夜寝る前、ギプスの隙間にバンダナを詰めてギプス全体にタオルを巻き、ビニール袋とゴミ袋をかぶせて
ガムテープで厳重に隙間のないようにとめてからシャワーを浴びる。左足はお湯の侵入は避けられるものの、
ちょうどいい具合に蒸されている。
それでシャワーの後にビニール袋やタオルを全部とると、左足が凄いことになっている…ちょっと擦ると垢がモロモロとれる(^^;
まだギプスをして3日目なのに、擦っても擦ってもモロモロが止まらない状態になっている。先が思い遣られる。



2001年10月25日(木)47日目  再断裂5日目

ギプスが緩くなる

●ギプスが緩くなった。手を入れてますます掻きやすくなったので、しょっちゅう手をギプスに突っ込んで掻いている。
ところで、ずっとギプスの中がモソモソ痒くて堪らなかった原因がわかった。
痒いのでいつもの調子で手でバリバリ掻いていたら、ギプスの中から長い髪の毛が1本出てきたのだった!
ギプスが緩くなったので、抜け毛がその中に落ちてしまったのだろう(笑)


2001年10月26日(金)48日目  再断裂6日目


重たいものは自分で持てない

●アキレス腱を切って、家の中で困ることがたくさんある。
夕食のしたくをしていると高い所にある皿をとったり、炊飯器やポットなどの重たいものを自分で持ち上げたり移動させることが
とても難しい。今日配達されてきた夕食材料は鍋用の食材なのだが、土鍋を高い棚にしまってあるのでどうやっても自分でとれない。
重たいものが高い位置にあるのだった。


車椅子のレンタルを延長する

●10月いっぱいの車椅子の手配をお願いしていた薬局から電話がかかてきた。
10月31日で車椅子を返却できそうかという確認電話だったのだが、またアキレス腱を切ってしまったので
もう1ヶ月レンタルしたい旨を伝える。もう返却できると思っていたのに…。


2001年10月27日(土)49日目  再断裂7日目


即手術と言われてもいいように、シャワーを浴びて髪も洗っておく

●朝、急に入院することになってもいいようにシャワーを浴びて頭をとにかく丁寧に洗い、午前中に通院する。
6日間ギプスで固定してきたが、今日はエコーで診察を受けることになっていたのだった。
エコーの結果によっては、手術するかそれともこのままギプスで固定しておくかが決まることになっていた。


エコーで検査

●まずギプスの後側を細長く大きめにギプスカッターでカットしてもらい、エコーの検査に入った。
途中氷嚢で足首を冷やしたりしながら20分以上丹念にエコーで検査してもらう。アキレス腱が伸びて(部分断裂して)段になっていた
ところが落ち着いているとのことだった。部分断裂した箇所自体の状態も悪くはないようだった。
アキレス腱に沿ってふくらはぎにプローブを押し当てながら「痛い?」と聞かれたのだが、すかさず「我慢しないでくださいね。
ホントの事言ってね(笑)」と先に言われてしまった(^^; 
本当に痛みはほとんど感じなかった。


治療方針が決まる

●結果はアキレス腱を縮めた形で固定して安静にしていたので、炎症もおさまりアキレス腱の具合も落ち着いてきているので、
手術は見送りギプスで固定して腱が繋がるまで時間をかけて治療する方がよさそうだとのことだった。
「短気は損気だから、ここは腹を決めてじっくりギプスで治す方がいい」と言われた。
それに「入院すると、ご家族(Sのこと)の生活が仕事もあるのに自宅と病院往復の二重生活になってしまい大変でしょう。
あなたもしばらくギプスだと不自由が続くけれど、家にいれば少しは家事も自分でできるみたいですから」とも言われたのだった。
その言葉がとてもありがたく思えた。それに何が何でも手術すると言われなくてよかったと先生に感謝した。
エコー検査のために大きくカットしたギプスの後ろにガーゼを当て、包帯で巻いてもらって帰宅した。

●また単純に嬉しくて、帰りがけに食事して買い物をして帰ってきた。
テレビで見たカレー粉を炒めて作る昔風のカレーを作って、ポテトグラタンも作って、好きなだけ食べてしまおう!





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