富士山麓にヨウム啼く 番外編 アキレス腱断裂記2 初めての車椅子(術後2〜4日)26 Sep. 2001


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2001年9月10日(月)2日目

トイレへは車椅子で

●手術した日は、安静に寝ていることを勧められ、ナースコールで看護婦さんを呼んで車椅子に移り、車椅子を押してもらい、トイ
レに行った。トイレは洋式トイレで手すりのバーが左右2ケ所に取り付けられている。ドアのかわりにアコーディオンカーテンが取
り付けられたものだ。車椅子が納まるように他の個室よりも広めの面積が必要だ。病院のトイレは車椅子が直進すると、便器と垂直
の位置になる。車椅子から立ち上がってトイレ定位置に座るには、両手で2つのバーを握り、右足を床について軸足にしてくるりと
回るのが一番ラクだった。左足は上げたまま。
看護婦さんたちに「絶対に左足を接地しないよう」言われる。ギプスをしていても、
つい思いきり左足を床にガーンとぶつけたりすると、再びアキレス腱を切ることがあるそうだ。
最初はどうやってトイレに座ったら
いいのか、まったく分らなかったが、何度かトイレに行ってみるとコツがわかる。
そして車椅子を納めるスペースが小さいよりも大きい方が遥かにトイレはラクだとわかる。トイレが済んだら個室の中のナースコー
ルで看護婦さんを呼んで、再び車椅子で部屋に戻った。
自分では1人で車椅子でトイレに行けるという気がしていたが、手術直後は体がフラフラしたりすることがあるので、看護婦さんが
こうして送り迎えしてくれるそうだ。

●2日目の10日朝から自室に車椅子を置いてもらい、自分で車椅子でトイレや洗面にでかけ始めた。術後、熱を決めれた時間に計っ
てみると、37度2〜5分ほどの微熱が出ていた。熱は術後3日目まで出たが、その後は平熱にもどり、1週間目あたりから熱さえ計
測しなくなった。それで、もう退院できるかなと思ったのだった。

●病院にはこうした車椅子で使えるトイレがあったので、トイレは困らなかった…はずだが、そのトイレ(もちろん女子トイレ)に
しか入らないおじいさんたちが2人いたのだった(-_-メ) 男子トイレは女子トイレのすぐ隣で、同様に車椅子用トイレもある。
歩行機で行っても大丈夫なトイレだ。でも、おじいさんたちは絶対に男性用に入らないのだった。なぜ女子用がいいのか不明だ。
同性であるSを問いつめてみたが、Sにもそのおじいさんたちの心理を推し量ることはできなかった。
残念ながらトイレが汚れていることがしょっちゅうだったので、その時は外来のトイレまでエレベーターで降りていった。


ギプスに窓を開ける

●手術後、爪先立ちのように爪先を真直ぐ伸ばした形(足首を真直ぐ180度近くまで伸ばした形)でギプスされている。これが第1
期のギプス。2週間後には足首の角度が90度に近いギプスに変わるそうだ。後で聞いたところによると、さらに2週間すると、ふく
らはぎの後ろ側〜かかとの後ろ側〜足の裏までが繋がった半ギプスというのを装着するかも知れないらしい。

●昼前に回診。手術してくれた院長先生とは別のお医者さんが回診にやって来る。傷口の消毒を抜糸まで続けるそうだ。うつぶせに
寝たところに、傷口の手入れがしやすい位置にギプスの上に直接マジックで四角を描いて、ギプスカッターという特別なカッターで
四角く「窓」を開ける。このギプスカッターには直径5センチほどの丸歯がついていた。皮膚は切れないのだろうか…と、かなり手
に汗を握る。お医者さんは慣れたもので、きれいに四角く窓を開けていた。その後、ハサミでギプス内側に巻かれた綿状のものを切
り、ニットのタイツも四角くハサミで切っていた。それから傷口に当てていたガーゼを取り、消毒して再びきれいなガーゼで傷口を
覆い、「窓」をテープで留め、さらにギプスの上から「窓」が開かないように包帯を巻いて回診終了。

●看護婦さんたちがいろいろ部屋にやって来る。そして補助看護婦さんたちもやって来る。部屋の掃除をしてくれる人も来る。
そしてみんななぜか「アキレス腱切ったって?どうしたの?」とか「ああ、運動会でアキレス腱切ったのはこの人かぁ!」と言う。
みんな知っている(笑) トイレの行き帰りでも入院患者さんや患者さんの家族の人たち数人に「アキレス腱切っちゃったんだって
ね」と声を掛けられる。変に人を避けるのも暗い返事もおかしいので、陽気に接することにする(笑)
看護婦さんはもちろんだが、みんな入院してくる人の入院理由には詳しい。


いい人だ!

●夕方仕事を終えて着替えを持ってSがやってくる。院長先生の話を聞かせてくれる。手術後、Sに「2〜3週間は病院にいた方が
いいでしょう。アパートの3階じゃあ、昇り降りできないですよ。松葉杖も大変ですよ。奥さん、体重ありますから」と言ったそう
だ。「もう院長先生か看護婦さんにその話聞いてるだろ?」とSは言うが、最後の「奥さん、体重ありますから」だけは退院するま
でどころか、退院してからも1度も聞かなかった。「院長先生は優しい人だよ!院長先生いい人だ!」と即座に私が声を出してSに
言ったのは言うまでもない。そして今もそう思っている(笑)
ただ、やっぱり松葉杖もケンケンするにしてもそうだが、体重は軽い方がラクなようだ

●病院の食事は温かい物は温かい状態で出され、メニューも凝ったものがよく出てきた。かなりヘルシーな料理で、真似してみたい
と思うものが結構ある。赤魚の切り身にカッテージチーズと溶けるチーズ、茹でブロッコリーの細かく切ったもの、ピーマンの輪切
り、プチトマトなどを乗せて粗挽きコショウをふってオーブンで焼いた料理。こんな風にバランスのいい皿がよく出てきた。


腰痛に悩まされる

●夜、寝ていると猛烈に腰が痛くて、看護婦さんにベッドを垂直に起こしてもらう。長時間寝過ぎると腰に負担がかかり痛くなるけ
れど、入院2日目にしてこの腰痛が起きた。薬は我慢してベッドを起こして様子を見ることにする。




2001年9月11日(火)  3日目

頭痛に悩まされる

●朝からひどい頭痛に悩まされる。トイレに行くのも食事をとるのも辛く、寝てさえいられない。頭が痛いことを看護婦さん数人に
訴え、昼前の回診でお医者さんにも頭が痛くてたまらないことを訴え、薬を処方してもらえることになる。どうやら麻酔の影響らし
い。ところが、昼食が済んでも一向に鎮痛剤が処方されない。我慢できずに看護婦さんに声を掛けてやっと3時過ぎにボルタレン座
薬を持ってきてもらう。1時間もしないうちに薬が効く。それで夕食後に飲み薬で痛み止めが処方されたのだった。
遅い。遅すぎる…。 前日に苦しんだ腰痛も、座薬のせいなのか改善されていた。


頭がペタペタで汗臭い(気がする)

●この日あたりから頭はペタペタ、自分が汗臭くて仕方なくなる。Sに頼んでシーブリーズや制汗スプレーを持ってきてもらう。
毎日回診前に蒸しタオルが配られ、自分で体を拭くことができるのだが、それだけではどうしても足りない。


そして激痒

●そしてとうとうギプスの中身も痒くてたまらなくなる。暑くて持ってきてもらったウチワの柄が早速ギプスの中身を掻く道具に
変身。そして液体のムヒを持ってきてもらったので、容器を脚に押し付けて液体をギプスに覆われたところに流し込む。菜箸のよう
な細長い棒があれば掻くのに非常に便利。だが、ギプスの中身をきれいに石鹸と水で洗わなければ根本的な問題は解決されないのだ
った。それは叶わぬことなので、とりあえず対症療法で掻くしかないのだった。
「掻いちゃだめ」といわれなかったのが嬉しい。でも、ギプスがはまっているので思うように掻けない。痒いけれど掻けないという
のは辛いものだ。掻きたい。でも掻けない(涙) 特に足の甲などが痒いと、ウチワの柄では届かなく、我慢するしかなかった。
そして夜中に痒くて目が覚めるのだった。

●ギプスをしていると筋肉が落ちて脚が細くなると聞いていたが、すぐに指4本が余裕で入るくらいギプスがゆるくなる。
そしてギプスを装着して4日目くらいには片手の手のひらの付け根までギプスが入り、ギプスを外す頃には両手のひらが入った。
これは筋肉が落ちるほかに、ギプスをしている脚を高くしていたので「むくみ」がとれたからだと思う。手が入るようになると、
思いきり手を突っ込んで脚を掻くことができた。


車椅子

●左足を下げている時間が長いと、本当に傷口がピリピリしてくるので、上半身を起こしている時でも左足は常に高くしていた。
車椅子の使い方にだいぶ慣れると、小さなスペースで方向転換や回転なども上手にできるようになる。廊下に人がいない時は、飛び
出してくる人に注意しながら車椅子の車輪の外側についているリングを手で大きく漕いでみた。腕や肩を大きく動かす運動になり、
いつも悩まされていた肩凝りと頭痛が入院中にすっかり治ってしまった

●車椅子でトイレや洗面歯磨きに出かける時、タオルや歯ブラシなどを持参しなくてはならない。でも、両手で車椅子を漕ぐので手
は塞がっている。最初はたすきがけできるバッグに荷物を入れて車椅子に乗っていたが、もっと手軽なのはスーパーのお買い物袋や
紐で口をしばることができる袋(巾着など)を車椅子のひじ掛けに縛り付けておくことだった。でも、自分で茶わんを洗いに行った
りお花に水をやったり、水を汲んでくることができなかった。それだけは人にお願いしてやってもらっていた。




2001年9月12日(水)4日目

テレビに釘付け

●昨日の頭痛はすっかり治り、起床時間の朝6時よりも早く目が覚めた。車椅子で静かにトイレに行き、6時過ぎたあたりを見計ら
って洗面所で顔を洗い歯を磨く。とても気分がよくて、それまで見ていなかったテレビをつけてみたら、アメリカの同時多発テロ事
件の映像がどこのチャンネルでも流れていた。本当に驚き、憤り、できるかぎりテレビをつけていた。新聞を買いに売店まで行くが、
新聞を置いていないとのことだった。エレベーターに乗り、1階の外来待ち合い室まで新聞を読みに行く。回診までに部屋に戻る。
昼食後には大部屋に移ることになった。


入院中の服装

●入院中はギプスがあるので、パジャマのようなズボンの裾の長いものはトイレで引きずる可能性がある(トイレで引きずるとすご
ーくショックです)。
そこで、ワンピースのようなストンとしたカットソー1枚がラクなのだが、寝ていると裾が上がってきたりする。蒸し暑い病室で裾を
気にするのも嫌なものなので、膝丈のジャージをはいてTシャツを着ることにした。退院後も家の中ではハイハイのようにして移動
するので、膝丈ジャージと膝サポーターがとても便利だ。


保険

●地区の運動会での怪我だったので、地区で保険が掛けてあったそうだ。区長さんや町内会長さん、班長さんが来てくれて、保険の
話をしていってくれた。私も自分で入っている保険があるので、退院後に電話してみようと思っている。



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