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| 2001年9月30日(日)22日目 |
スロープがついていても車椅子自走が無理な建物は多いかも知れない ●雨降りの肌寒い朝、会員になっている静岡のサールナートホールに『こころの湯』という中国映画を見にでかける。 建物エントランスの長い坂は、とても独力で車椅子を自走できないほど傾斜がかなりあり路面が凸凹だ。 エントランスの坂を昇るところまではSに車椅子を押してもらった。 ●Sが駐車場に車を入れに行った間に自分でトイレに行っておく。 入り口から真直ぐ進むと、奥に「身障者用」と表示されたトイレがあるのだが、トイレに辿り着くまでに 短いながらもすごい急坂になっていて、車椅子では独力での上り下りが大変そうに思えた。 トイレに入る時は何とか車椅子のタイヤの外側のリングを手で掴み、ブレーキをかけるようにしながら坂を 下りて行くことができたが、トイレの帰りにその短い急坂が上れない。 すると映画を見に来ていてロビーで開館を待っていた女性が助けてくれた。とても親切な人でいろいろ声を掛けてきてくれた。 本当にありがたかった。ここのトイレは行き来に本当に介助が必要なのだった… 映画館の中では、ケンケンが意外にラク ●ホールに入ると、一番後ろの座席のすぐ後ろに車椅子を置く場所がある。 そこで映画も見られるのだが、私は手すりや座席のひじ掛けと背もたれに両手をついて階段状になった通路を ケンケンしながら真ん中のいい席に移動した。お客さんたちが私に注目しているのがわかった(照) それもそのはず、車椅子から片足で立ち上がったと思ったら、いきなり凄いスピードでピョンピョン飛び跳ねながら、 あっと言う間に真ん中の席に私が来てしまったのだから(笑) ●映画館の階段状通路は意外に疲れずにケンケンしやすい。ケンケンする時に両手をつく座席のひじ掛けや背もたれが低いので、 体を腕で支えやすいからだと思う(とび箱を跳ぶ時、低い段なら軽々跳べるのと同じことだと思う)。 手をつく位置が高いと、腕で体重を支えるのが大変になり、跳びはねることも困難になる。 そうなると背中や腰が痛くなってしまい、ケンケンも休み休みになってしまうのだ。 ●映画を見た後、一層雨が強く気温も低くなっていたので、食事は少し離れたファミリーレストランに行くことになった。 私たちが入ったレストランは、毛足の長そうな絨毯がしいてあることと入り口が階段だったことから、車椅子を諦めて 松葉杖で入っていった。すると、一番奥の席に案内されてしまう。 でもトイレは映画館で済ませてきたし、松葉杖でも困ることはなかった(トイレに行きたい時は松葉杖でよりも車椅子での方が 安全だ)。 白い塊の正体は一体何だったのか… ●帰宅して夕食を食べて風呂に入った後、コワ〜〜いものを見てしまった。ギプスをしている左足の指を拭いていて、 ついでに隙間から足の裏を拭いたら、タオルに真っ白い塊が… 思わず「うわー;;;」と声が出る。 ハビナースを薄めたお湯にハンドタオルを浸して軽く絞ったものを「掻き専用」にした菜箸に巻き付けて、 ギプスの内側を丹念にこする。すると、こすってもこすっても…(以下自粛) |
| 2001年10月 1日(月)23日目 |
ケンケンが長く続くようになる ●この頃からケンケンで部屋から部屋に移動できるようになる。ハイハイよりも断然スピードアップする。 だが、階段の昇り降りをした日とその翌日くらいまで、体がとても疲れてしまう。特に、ケンケンが辛くなる。 上にあげている左脚もなぜかとても重く感じられる。 ●私は疲れたりして体調が悪くなるとひどい胃もたれや胸焼けがしてくるのだが、この頃胃もたれと胸焼けが一段とひどくなる。 食事の度に苦しむので、食事の量も少なくなりがち。夜中にも胸焼けや胃痛で眠れなくなってしまう。 夢を見た ●この日の夜、夢を見た。夢に出てきたのは自分の実家。もう亡くなった母が夢に出てきた。 私のギプスがショートブーツのような柔らかい素材と形になっていて、お風呂の時にはそれを「脱いで」脚を洗い、 風呂から上がったらまたギプスを「履く」のだった。 その一部始終を面白そうに母に見せているというとても楽しい夢で、目が覚めるまで見ていた。はっきり覚えていられて嬉しい。 |
| 2001年10月 2日(火)24日目 |
家の中がギプスで荒れていた ●体調は胃もたれと胸焼けが治まらず、食事は固形物を抜いてみる。これで胃を少し休めてみるという作戦。 ウイスキーなどを割る時に使う味のついていない炭酸水を冷やしておいて飲んでみると、胃の具合がスッキリしてくる。 でも体調はやはりいまひとつ。 ●困ったことが起きた。家の中が私が這い回るせいで傷んでいる。ギプスは石膏ではなくプラスチックのように硬い素材だ。 それも包帯の編み目や包帯のエッジががハッキリ残っているカチカチのギプスだ。 ハイハイするとその薄いけれど鋭いエッジや編み目で床や敷居や畳を擦ってしまうのだっだ。 最近、家の中に細かい木屑みたいなものが落ちているなぁ…と暢気に思っていたが、それまでまったく自分のせいで 家が削れていることに気付いていなかった。慌ててギプスにタオルを巻き付ける。 |
| 2001年10月 3日(水)25日目 |
●胃もたれと胸焼けを警戒しながら、少量ずつ食事してみる。逆に空腹になるとさらにひどい胸焼けになるので、お茶を 飲んだりして胃をすっかりカラにはしないようにしてみる。 ADSLのモデムを繋いでみた_椅子を使うと安全 ●午前中にNTTの局内工事をしてもらい、フレッツADSLになる。Sが帰ってくるまで我慢と思っていたけれど、 やっぱり我慢ができなくて、電話と自分のG3にモデムとスプリッタを自力で接続。 片足で立ちながら両腕を上に上げて作業すると、体がグラグラして転びそうになる。 それで椅子を台所から引っ張ってきて、椅子の座面にギプスした足をのせて膝をつき、右足で床に片足立ちしてみた。 こうすると座面に左足のスネ全体が当り、体が安定した。 右の背中〜腰〜脚が疲れにくく、床の上に置かれたコンセントをいじるのも、手を伸ばして上の方で ダイアルアップルーターを外してモデムを繋ぐのもラクだった。 油断して転びそうになる ●夕食材料は、ドアの外に設置してもらったボックスに入れてもらえるようになっている。 この日の箱は思いのほか重たくて、片足立ちの足元が不安定になり、ギプスをしている方の足の裏を思いきり玄関のタイルの 目地に打ち付けてしまった。痛くてしばらく動く事ができなかった。 足の裏の親指の付け根の丸く盛り上がっているところにタンコブができて、親指の第一関節のすぐ下をパックリ切ってしまった。 足首は幸い何ごともなかったようだ。 しかし、人間はどんなところにもタンコブができてしまうものだと驚いたのだった。このタンコブは3日くらい治らなかった。 |
| 2001年10月 4日(木)26日目 |
「利き足」はどちらだろうと悩む ●お風呂から出る時、どっちの足から先に立ち上がるのか、つい考えてしまう。 必ずギプスしているのが左足であることを目で確認して、左足から立たないように慎重になる。 私は走り幅跳びで踏み切ったりケンケンするのは右足なのだが、寝ていたり座っている姿勢から立ち上がる時に最初に地面に つく足は左足なのだった。私もSも同じなのだが、利き足は右なのだろうか?それとも左足なのだろうか?いずれにしても どちらがわの足にしても怪我をしていると不便この上ないのだった。 私が憎いと思うもの ●この日、猛烈に足が痒い。 足の甲とくるぶしが痒くて、菜箸(足掻き専用)を差し込んでずっと掻き続けるが、痒さが一向におさまらない。 向こう脛も痒くて困っていたら、どうやら向こう脛は蚊に刺されたようで、手を入れて触ったら、確かに丸く腫れていた。 わざわざ掻き難いギプスの中で血を吸ったなんて…蚊が憎い。 |
| 2001年10月 5日(金)27日目 |
●クロネコヤマトのブックサービスで1冊本が届く。楽しみにしていたので、早速読みはじめる。 足は相変わらず痒く、菜箸で掻いていたら、手術したあたりに偶然箸が当ってしまう。 ガーゼが貼ってあるはずだが、それがずれたらしく、カサブタになっているようだ。 明日ギプスを外したら初めて自分の傷口を見ることになる。怖いけれど、かなり楽しみ。 |
| 2001年10月 6日(土)28日目 ギプスが外れる |
嬉しくて笑いがとまらない ●ギプスが外れる日。そしてリハビリ開始の日。ずっとこの日を待っていたのだった。 受付を済ませて廊下で待っていると、いつもの看護士さんがやってきて「今日ギプス外しますよ」と声を掛けていってくれる。 それを聞いた瞬間から、抑えようと思っても顔が満面の笑みになってしまう。とにかくこの後ずっと顔が笑っていたらしい(笑) ●ギプスを切るために処置室に行く。緑色の不織布のシートで床や服をカバーし、ギプスの左右、足の裏に色鉛筆で線が引かれる。 その線に沿ってギプスカッターでギプスを切っていく。ギプスの下の綿状シートやタイツはハサミで切っていく。 きれいに縦切りにし、足の後ろの面のギプスの中の綿状シートを入れ替えて、一応その後ろ側だけになったギプス(これが「半ギプ ス」)に足を入れておいてくださいと言われる。
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